以前まとめたα7R VIレビューでは、価格・画素数・連写速度という基本スペックの違いを中心に紹介しました。
今回は、そこでは触れきれなかった手ブレ補正とEVF(ファインダー)という、実際の使用感に直結する2つの項目に絞って、旧機種のα7R Vと何が変わったのかを詳しく見ていきます。
結論:数字が同じに見える項目にも、中身の進化がある
先に結論です。
- センサー読み出し速度は、積層型センサーの採用で約5.6倍高速化しています
- 手ブレ補正は、α7R Vの8.0段から、α7R VIは中央8.5段・周辺7.0段(CIPA2024規格)まで強化されています
- EVFは、ドット数(944万ドット)こそ同じですが、輝度が約3倍に向上し、広色域・HDR表示に対応しています
- スペック表の数字を並べるだけでは伝わりにくい、体感面での進化がいくつも存在します

手ブレ補正:「0.5段の差」が高画素機では大きく効く
α7R Vの手ブレ補正は8.0段でしたが、α7R VIでは中央8.5段・周辺7.0段(CIPA2024規格)まで強化されています。
数字だけ見ると小幅な改善に思えるかもしれませんが、6680万画素という超高画素機では、わずかなブレも写りに出やすいという特性があります。
α7R Vの所有者による比較記事でも、「シャッタースピードは足りているはずなのに、微妙なブレを感じることがある」という指摘があり、この手ブレ補正の強化は、高画素機ならではの弱点を補う意味合いが大きいとされています。
EVF:ドット数は同じでも、見え方が変わっている
ファインダーのドット数(944万ドット)自体はα7R Vから変わっていません。
ただし、輝度が約3倍に向上し、DCI-P3相当の広色域とHDR表示に対応しています。
ドット数という分かりやすい数字だけを比較すると「進化していない」ように見えますが、実際にファインダーを覗いたときの見えやすさ・色の再現性は、明るい屋外での撮影ほど差を感じやすい部分です。
センサー読み出し速度:電子シャッターでの弱点を解消
α7R VIは、Rシリーズとして初めて積層型のExmor RSセンサーを採用しました。
これにより、データの読み出し速度がα7R Vの裏面照射型センサーと比べて約5.6倍向上しています。この読み出し速度の向上が、以前の記事でも紹介した30コマ/秒という高速連写や、電子シャッターでの動体撮影時のゆがみ軽減に直結しています。
α7R Vでは、電子シャッターで動きの速い被写体を撮ると、ローリングシャッターゆがみが気になる場面がありましたが、この点はα7R VIで大きく改善されているとされています。
それでも、α7R Vを選ぶ理由も残っている
α7R Vを長期間使っているユーザーの記事を見ると、「センサー方式・連写速度・動画スペックはα7R VIが上だが、価格差(新品で約40万円)を考えると、ポートレートや風景をじっくり撮る用途では、今でも第一線で使える」という声もありました。
今回取り上げた手ブレ補正やEVFの進化も、動きの速い被写体や、明るい屋外での撮影頻度が高い人ほど恩恵が大きい部分です。
逆に、三脚を使ったじっくりした撮影が中心の人にとっては、価格差ほどの体感差にはならない可能性もあります。
まとめ
α7R VIとα7R Vの違いは、画素数や連写速度といった分かりやすい数字だけでなく、手ブレ補正やEVFの輝度・色域のように、スペック表だけでは伝わりにくい部分にも表れています。
特に高画素機は、わずかなブレや見えにくさが写りに直結しやすいジャンルなので、これらの”数字に出にくい進化”も、実際の使用感には無視できない影響を与えそうです。

