フィルムからデジタルへの移行期、私が手にしたのはCanon PowerShot G5でした。
当時のPowerShotシリーズの最上位機で、2003年6月発売、500万画素CCD・1/1.8型センサーに、35-140mm相当F2.0-3.0という明るいレンズを積んだ、いわゆる「高級コンデジ」の元祖的な一台です。
この記事は、そのG5を今も手元に持っている立場から、「昔の高級コンデジ」と「今の高級コンデジ」がどう違うのか、そしてG5は今使ってもまだ通用するのかを、実感ベースで書いていきます。
結論:G5は「今」使えるのか

正直に言うと、実用機として毎日使うのは厳しいです。
バッテリーの持ちが元々良くなく、経年劣化でさらに厳しくなっていますし、記録メディアはCompactFlash、動画は320×240で最大3分までという制約もあります。
ただ、F2.0-3.0の明るいレンズと物理ダイヤルでの操作感は、今触っても「これはこれで良い」と感じる部分がはっきり残っています。
今の高級コンデジ(RX100シリーズやGRシリーズなど)は、このG5的な”性格”を引き継ぎながら、当時の弱点をほぼ解消した存在だと感じています。
「高級コンデジ」は、そもそも2000年代にどう始まったのか
Canonの資料によれば、PowerShot G5は前身のG3譲りの光学性能に、CCDを4.0メガピクセルから5.0メガピクセルに高画素化したモデルとして登場しました。
当時のスペックを並べるとこうなります。
| 項目 | PowerShot G5(2003年) |
|---|---|
| 発売時期 | 2003年6月 |
| センサー | 1/1.8型 CCD・約500万画素 |
| レンズ | 35-140mm相当 F2.0-3.0(4倍ズーム) |
| 記録メディア | CompactFlash(Type I/II) |
| 液晶 | 1.8型・バリアングル |
| 動画 | 320×240、1クリップ最大3分 |
| 画像処理 | キヤノン独自プロセッサ「DIGIC」搭載 |
当時「高級コンデジ」と呼ばれた理由は、明るいレンズ・RAW記録対応・豊富なマニュアル操作・金属ボディといった、上位機種に近い作り込みにありました。
スマホという概念自体がまだ存在しない時代、これが「本気で撮りたい人の、一眼レフより気軽な選択肢」だったわけです。
実際に「今」G5を触るとどう感じるか
久しぶりに電源を入れると、まず気になるのはやはりバッテリーです。当時のレビューでも持ちの悪さは指摘されていましたが、20年以上経った今はさらに厳しく、フル充電してもすぐ切れます。
CompactFlashも今の感覚だと書き込みが遅く感じますし、1.8インチの液晶は正直、画像の確認程度にしか使えません。
一方で、シャッターを切る感覚そのものは今でも悪くありません。
F2.0という明るさのおかげで室内でも粘れますし、電子ダイヤルでの露出調整はEOSシリーズ譲りの操作感で、今のスマホや一部のミラーレスよりむしろ直感的だと感じることもあります。
動画はほぼ使い物にならないので、完全に「静止画専用機」として割り切って使うのが正解です。
「昔と今」の高級コンデジ、何が変わったのか
G5の時代と今のRX100シリーズやRicoh GRシリーズを並べると、正直ここまで進化したのかと感じる部分がいくつもあります。
| 項目 | 2003年頃(G5世代) | 2026年頃(RX100 VII等) |
|---|---|---|
| センサー | 1/1.8型・約500万画素 | 1型・約2000万画素 |
| 動画 | 320×240・最大3分 | 4K・実質無制限(容量次第) |
| バッテリー | 持ちが弱く経年劣化も早い | 大幅に改善(それでも一眼には劣る) |
| AF | 単写・連続測距のみ | リアルタイムトラッキングで高速・高精度 |
| 記録メディア | CompactFlash | SDカード(高速書き込み対応) |
センサーサイズも画素数も上がっていますが、個人的に一番の進化はAFとバッテリーだと感じています。
G5の時代は「ピントを自分で追い込む」感覚が必要でしたが、今の高級コンデジは被写体を自動で追い続けてくれるので、シャッターチャンスを逃しにくくなりました。
それでも今、高級コンデジを選ぶ意味はあるのか
スマホのカメラがここまで進化した今、あえて別にカメラを持つ意味を感じるのは、光学ズームでの劣化のなさと、大きいセンサーによる暗所性能・自然なボケです。
この部分は、G5の時代からずっと変わらない「高級コンデジの存在理由」だと思います。
今の高級コンデジを選ぶなら、用途で絞るのが早いです。
- 旅行にも普段使いにも1台で済ませたい → Sony RX100 VII
- 写真の画質を一番優先したい → Sony RX100 V / VA(生産終了)
- キヤノンの色味・操作感が好き → Canon PowerShot G7 X Mark III
- 動画・Vlogがメイン → Sony VLOGCAM ZV-1
- ミラーレス並みの画質を求める → Ricoh GR III / GR IIIx
それぞれの価格帯や、もう少し詳しい選び方は「スマホに物足りなくなったら「コンデジ」|価格・画質で選ぶ後悔しない4台【2026年版】」で比較しているので、あわせて読んでみてください。
いずれも1型センサー以上を積んでおり、G5の時代とは比較にならない画質と操作性を持っています。
ただ、「明るいレンズと物理ダイヤルで撮る感覚」という部分だけは、実はG5の頃からそう大きくは変わっていない、というのが今回改めて触ってみての感想です。
まとめ
PowerShot G5は、今の基準で見れば動画もバッテリーも実用レベルとは言えません。
それでも、当時「高級コンデジ」という言葉が生まれた理由は、今のRX100シリーズやGRシリーズにもそのまま受け継がれています。
古いカメラを引っ張り出して今の機種と比べてみると、進化した部分と、意外と変わっていない部分の両方が見えてきます。
もし手元に昔使っていたカメラが残っているなら、一度電源を入れて触ってみるのもおすすめです。
今の高級コンデジを実際に選ぶ際は、「スマホに物足りなくなったら「コンデジ」|価格・画質で選ぶ後悔しない4台【2026年版】」スマホに物足りなくなったら「コンデジ」|価格・画質で選ぶ後悔しない4台【2026年版】」で用途別に詳しく比較しているので、こちらもぜひ参考にしてください。

