テレコンバーター(Teleconverter)は、レンズとカメラ本体の間に装着することで、焦点距離を1.4倍・2倍などに伸ばせるアクセサリーです。
望遠レンズの”射程”を手軽に伸ばせるため、野鳥・飛行機・スポーツ撮影で重宝されています。
「テレコンを使うと画質やAFが悪くなる」という話は昔からよく言われますが、これは今も変わらず正しいのでしょうか。
この記事では基本的な仕組みとメリット・デメリットを整理したうえで、実際に2026年に起きた「ファームウェア更新でテレコン使用時のAFが改善された」という事例もあわせて紹介します。
なお、今回はテレコンバーターの実機を所有した上でのレビューではなく、メーカー公式情報や各種レビュー記事をもとにまとめています。
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結論:今テレコンを検討するなら知っておきたいこと
- 焦点距離を安く・軽く伸ばしたい人には、1.4倍テレコンから試すのが無難
- とにかく遠くを大きく撮りたい人は、2倍テレコンは画質・AFの低下を許容する必要がある
- 最新のレンズ・ボディを使っている人は、ファームウェア更新で挙動が改善されるケースがあるので、常に最新状態にしておくことが重要
テレコンバーターの種類
| 倍率 | 特徴 |
|---|---|
| 1.4×テレコン | 焦点距離を1.4倍に。画質劣化が少なく実用性が高い |
| 2×テレコン | 焦点距離を2倍に。より遠くを狙えるが画質・AF低下が大きい |
例えば200mmのレンズに装着した場合、1.4倍なら280mm相当、2倍なら400mm相当まで焦点距離を伸ばせます。
主要メーカーの純正テレコンの実勢価格帯は、キヤノンRF1.4×/2×が各6万円台、ニコンZテレコンバーターTC-1.4x/TC-2.0xが各7〜8万円台、ソニー1.4×/2.0×テレコンバーターが各6万円台と、いずれも数万円クラスです。
望遠レンズを新たに1本買い足すことを考えれば、コストを抑えて焦点距離を伸ばせる手段と言えます。
テレコンバーターのメリット
一番のメリットは、望遠レンズを新たに1本買い足すより安く、焦点距離を伸ばせることです。
テレコン自体は小型・軽量なので、荷物を増やさずに済むのも大きい。
野鳥や飛行機、スポーツ撮影のように、被写体まで距離を詰められない場面では、この「手軽に射程を伸ばせる」という特性がそのまま撮影の幅を広げてくれます。
加えて、今持っているレンズをそのまま活かせるので、レンズ資産を無駄にしないという意味でもコストパフォーマンスは良いです。

テレコンバーターのデメリット
一方で、代償もはっきりしています。焦点距離が伸びるぶん開放F値は暗くなり、1.4×で1段(例:F4→F5.6)、2×で2段(例:F4→F8)ほど暗くなります。
暗くなればAFの速度も落ちやすく、特に動きの速い被写体では影響を感じやすくなります。
画質についても、特に2×では低下が目立ちやすいとされています。
さらに、対応レンズが限られる点も見落とせません。
純正のテレコンバーターほど、組み合わせられるレンズが絞られる傾向があります。
テレコンバーターを使うと画質が落ちるのは、今も本当か
「テレコンを使うと画質が落ちる」というのは長年の定説ですが、価格.comマガジンの検証記事では、最新のミラーレスシステムにおいてテレコンバーターを使用しても画質はほぼ劣化しないと感じたという結果が紹介されていました。
レンズ設計とテレコンの光学性能が向上したことで、以前ほど極端な画質低下は起きにくくなっている、という見方です。
とはいえ、焦点距離が伸びて開放F値が暗くなること自体は変わらないため、感度が上がりやすくなったり、わずかな手ブレやピントのズレが目立ちやすくなったりする点は、今でも意識しておく必要があります。
実例:ファームウェア更新でテレコン使用時のAFが改善されたケース
2026年6月、ニコンは「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II」用の最新ファームウェア(Ver.1.10)を公開し、Z TELECONVERTER TC-2.0xとの組み合わせでAF動作が遅くなる事象を修正しました。
これは、レンズ側の弱点がテレコンとの組み合わせで表面化し、その後のアップデートで改善されたという、比較的新しい実例です。
つまり、「このレンズとこのテレコンの相性が悪い」と感じても、ファームウェア更新で改善される可能性があるということです。
テレコンの購入を検討している人は、使いたいレンズ・ボディのファームウェアが最新かどうかを、購入前後に確認しておくとよさそうです。
この事例について詳しくは、NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S IIのファームウェア記事で紹介しています。
おすすめのテレコンバーター|メーカー・レンズ別に選ぶ
テレコンバーターは、カメラメーカーやレンズによって対応製品が異なります。
特に注意したいのが、「同じマウントならどのレンズにも装着できる」というわけではないことです。
購入前には、必ず使用しているレンズがテレコンバーターに対応しているか確認してください。
ここでは、純正テレコンバーターを中心に、代表的な組み合わせを紹介します。
初めてテレコンを買うなら
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とにかく遠くを大きく撮りたいなら
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テレコンが活きる撮影シーン

| シーン | 理由 |
|---|---|
| 野鳥撮影 | 距離が取れないため焦点距離が重要 |
| 飛行機撮影 | 遠距離の被写体を大きく写せる |
| スポーツ撮影 | 遠くの選手を狙いやすい |
| 月・天体撮影 | 焦点距離が長いほど有利 |
テレコン使用時の注意点
レンズの解像力が高いほど、テレコンとの相性は良くなります。
ブレやすくなるためシャッタースピードは速めに設定し、ISOが上がりやすいのでノイズにも注意が必要です。
AFが迷いやすい場合は、測距点を絞った中央一点AFに切り替えると安定しやすくなります。
テレコンバーターの使い方
- 装着する:カメラ→テレコン→レンズの順に取り付け、外すときは逆の順番で行います。
- 焦点距離とF値を確認する:倍率に応じて、実際の焦点距離と開放F値がどちらも変化します。
- AF動作をチェックする:暗くなる分AFが遅くなることがあるため、必要に応じてAF-C(動く被写体に対し被写体にピントを合わせ続ける)や中央一点AF(AFフレーム1点を使ってピントを合わせる)に切り替えます。
- シャッタースピードを速めにする:望遠になるほどブレやすいので、1/1000秒以上を目安に設定します。
- 画質を確認しながら撮影する:1.4×は比較的高画質を保ちやすく、2×は画質低下が大きいため、拡大表示などでこまめに確認しながら撮ると安心です。

テレコンバーターが向いている人
- 野鳥・飛行機・スポーツ撮影をする人
- 望遠レンズの買い増しを避けたい人
- 軽量装備で焦点距離を伸ばしたい人
- 既存レンズを最大限活用したい人
まとめ
テレコンバーターは、焦点距離を手軽に伸ばせる便利なアクセサリーです。
1.4×は画質劣化が少なく実用性が高い一方、2×はより遠くを狙える反面、画質・AF性能の低下が大きくなります。
「テレコンは画質が落ちる」というイメージは以前ほど絶対的なものではなくなってきていますが、開放F値が暗くなること自体は変わらないため、レンズとの相性やファームウェアの状態を見極めながら使うことが重要です。

